アドビが2025年6月18日、AIを活用したコンテンツ作成プラットフォーム「Adobe Firefly」の大幅な機能拡張を発表した。今回のアップデートでは、待望のモバイル版がiOSとAndroidで提供開始されるほか、AIモデルのエコシステムが大幅に拡張され、クリエイターの創作体験が飛躍的に向上することになる。
新しく登場したAdobe Fireflyモバイル版は、従来のPC版で評価されていた生成AI機能をモバイルデバイスで完全に利用可能にする。クリエイターは外出先でもテキストプロンプトから画像や動画を生成し、「スタイル参照」や「構成参照」機能を使用して参照画像のスタイルを反映したコンテンツを作成できる。さらに、「生成拡張」「生成削除」「生成塗りつぶし」といった高度な編集機能により、モバイル環境でも本格的な画像編集が可能となっている。
Adobe Firefly ボードでは、新たにマルチメディアムードボード機能が追加され、動画機能を含むAIを搭載したクリエイティブコラボレーション環境を提供する。クリエイティブチームは、動画・画像編集機能を活用して様々なメディアを横断したアイデア探求と反復作業を効率的に進められるようになる。パブリックベータ版として提供されているこの機能は、チームベースの創作プロセスに新たな可能性を開く。
アドビのパートナーモデルエコシステムも大幅に拡張され、OpenAIのGPT-Image-1モデル、GoogleのImagenとVeo、Black Forest Labsに加えて、新たにIdeogram、Pika、Runway、Lumaの各AIモデルが追加された。これにより、クリエイターはより多様な美的スタイルと表現手法を探求でき、自身のニーズに最適なAIモデルを選択できる環境が整った。
今回の発表により、Adobe Fireflyは単なる生成AIツールから、アイデア創出から制作、編集までのクリエイティブワークフロー全体を統合するプラットフォームへと進化を遂げている。同社CTOのイーライ・グリーンフィールド氏は「最も包括的なクリエイティブ体験を実現することが目標だ」と述べており、クリエイティブ業界におけるAI活用の新たな局面を迎えることになる。
出典: Adobe Fireflyが新しいモバイル版、マルチメディアムードボード機能、そして拡張されたAIモデルでクリエイティブなアイデア創出を革新