Googleは6月10日、Android 16の提供開始を発表した。対応するPixelデバイスから順次展開され、他のAndroidスマートフォンブランドには年内に配布される予定となっている。今回のリリースは過去数年で最も早期の主要バージョンリリースとなり、ユーザーが最新機能をより迅速に利用できる体制を整えた。
Android 16では通知システムの大幅な改善が実現されている。フードデリバリーや配車サービスアプリでリアルタイム更新機能が利用可能となり、アプリを頻繁に開くことなく配達状況を通知画面で確認できる。さらに、単一アプリからの複数通知を自動的にグループ化する機能により、情報の整理と視認性が向上している。この機能はSamsungのNow BarやOPPO、OnePlusのLive Alertsでも活用される。
聴覚補助デバイスのサポート強化も注目すべき改善点だ。従来のLE Audio対応補聴器は内蔵前面マイクを通話に使用していたが、これらのマイクは相手の声を捉えるよう設計されており、ユーザー自身の音声入力には適していなかった。Android 16では騒音環境下でより明瞭な通話を実現するため、スマートフォンのマイクに切り替える機能を導入した。また、Android端末から直接補聴器の音量調整などを行える専用コントロール機能も統合されている。
セキュリティ面では、Advanced Protectionの新たな実装により包括的な保護機能を提供する。オンライン攻撃、有害なアプリ、危険なウェブサイト、詐欺電話に対する多層的な防御システムが有効化され、特に高度なセキュリティを必要とする公人や一般ユーザーに安心感を提供している。
タブレット向けの生産性機能として、Samsungとの協力により開発されたデスクトップウィンドウ機能が導入された。従来の単一アプリ表示やスプリットスクリーンに加え、デスクトップ環境のように複数のアプリウィンドウを同一画面上で開き、移動、リサイズできる機能を実現している。年内にはカスタムキーボードショートカットやタスクバーオーバーフロー機能も追加予定で、将来的にはタブレットと携帯電話を外部ディスプレイに接続した拡張デスクトップ体験も計画されている。
Android 16にはHDRスクリーンショット、適応リフレッシュレート、アイデンティティチェック機能など、その他多数の機能改善も含 まれている。今後、Material 3 Expressiveデザインの追加アップデートがAndroid 16とPixelデバイス向けWear OS 6に展開される予定となっている。