デザインプラットフォームのFigmaが、2025年7月30日に株式公開(IPO)の価格を1株33ドルに設定したと発表した。同社は7月31日よりニューヨーク証券取引所でティッカーシンボル「FIG」として取引を開始する予定となっている。
今回の株式公開では、Figmaが新規発行する1,247万2,657株とFigmaの既存株主が売り出す2,446万4,423株を合わせて、総計3,693万7,080株のクラスA普通株式が公開される。既存株主は引受業者に対し、30日間で最大554万561株の追加売出しを行うオプションも付与している。なお、Figmaは既存株主による売出し分からは収益を得ない。
Figmaは2012年に設立され、アイデアから完成したデジタルプロダクトまでをつなぐ設計・プロダクト開発プラットフォームとして発展してきた。単なるデザインツールから、AI機能を搭載した統合プラットフォームへと進化を遂げ、チー ム全体でのコラボレーションを重視したアプローチで市場での存在感を高めている。
今回のIPOは、Morgan Stanley、Goldman Sachs、Allen & Company、J.P. Morganが共同主幹事を務め、BofA Securities、Wells Fargo Securities、RBC Capital Marketsがブックランナーとして参加している。この上場により、Figmaはより広範囲にわたるデザイン業界での影響力拡大と、さらなる技術革新への投資を進める基盤を確立することになる。
公開価格の33ドルという設定は、昨今のテック企業IPOの動向を踏まえた慎重な価格設定と見られ、同社の成長ポテンシャルと市場の期待がバランスよく反映された結果と分析される。取引開始後の株価動向が注目されるところだ。