ChatGPTがリリースされて以来、AIによって自動生成されたコンテンツとの付き合い方に関する議論が続いていますね。これらのコンテンツに関する意見はさまざまですが、コンテンツ生成AIは今後も存在し続け、進化していくであろうという点を考えると、コンテンツを扱うビジネスには自動生成コンテンツをどう扱うかに関する方針を随時表明していくことが求められるようになりそうです。
Mediumにおいても、文章というコンテンツを扱うプラットフォームとしてChatGPTのリリース以降社内で多くの議論が続いていたようです。これに関して27日、Mediumのコンテンツ担当VPであるScott Lamb氏は、現状MediumがAI生成コンテンツをどのように扱っていくかに関しての明確な方針を示しました。
How we’re approaching AI-generated writing on Medium https://t.co/bPZQ7WhgsC
— Scott Lamb (@scott@me.dm) (@scottlamb) January 26, 2023
Scott氏は、ユーザーやAI関連企業、他プラットフォームとの意見交換を通して「読者への透明性」がAI生成コンテンツとの付き合い方にとって重要なポイントとなるという考えに至ったとしています。それを踏まえ、今現在のAI生成コンテンツに関するMediumの方針として以下の3点を提示しました。
Medium上でのAIによる自動生成コンテンツの投稿を認める。ただし、AI生成コンテンツである場合はその旨を明示する必要がある。
AI生成コンテンツであることを偽った投稿であることが判明した場合、その投稿をレコメンデーションアルゴリズムやキュレーションによる配信から除外する。
ユーザーの寄稿記事を受け付けているMediumアカウントには、それぞれのガイドラインでAI生成コンテンツに関する規定を定めてもらう。
自動生成コンテンツであることの明示義務については、Mediumのガイドライン条項としても新たに追加されています。
AI-generated content without a disclosure — We welcome the responsible use of AI-assistive technology on Medium. To promote transparency, and help set reader expectations, we require that any story created with AI assistance be clearly labeled as such.
https://help.medium.com/hc/en-us/articles/360006362473-Medium-s-Distribution-Standards-What-Writers-and-Publications-Need-to-Know
訳: 私たちは、MediumにおけるAI技術の責任ある利用を歓迎します。透明性を促進し読者の期待に応えるため、AIによって作成されたコンテンツには、その旨を明確にすることを求めます。
*ガイドラインの更新日が"September 21, 2022"となっていますが、今回新しく追加された条項であることは間違いないようです。
Mediumは「プラットフォームの立場」として、基本的にはAIのもたらす良い側面に期待をしており、現状はAI生成コンテンツと人間の手によるコンテンツの違いがわかるような「透明性」を担保することが重要だとしました。
一方で、ユーザーの寄稿記事を受け付けているMediumアカウントはAI生成コンテンツに対して厳しめのガイドラインを設けていることが多く、例としてMedium内でポップカルチャーに関するトピックを扱うFanfareは、寄稿記事でのAI使用が判明した場合、2度とそのユーザーからの寄稿は受け付けないと独自のガイドラインで規定しました。
プラットフォームとクリエーターがそれぞれ自動生成コンテンツに関する方針を規定し、運用することができるように配慮されていることがわかります。そもそも、コンテンツ生成AIに関する議論自体が新しいものであり、今後も状況は変わっていくであろうとして、Mediumとしてもユーザーとの意見交換などを通して方針を随時アップデートしていく予定であるとしています。