Monotype株式会社は、フォントワークス株式会社と連携し、日本語フォント8書体をMonotypeの各フォントサービスで提供開始したと発表した。これにより、海外展開を進める日本企業や、日本語フォントを必要とするグローバル企業が、より多様な日本語タイポグラフィを活用できる環境が整備された。
提供される8書体は、日本の伝統的な文字文化を反映した特徴的なフォントで構成されている。勘亭流は江戸時代の歌舞伎から生まれた伝統的な書体で、現代でも看板や広告で広く愛用されている。千社札は神社仏閣の札から着想を得た装飾性の高い書体だ。古隷書は明治時代の書籍から実用性の高い文字を収録し、レトロな雰囲気を演出する。
楷書体と行書体は、それぞれ正確な伝達を意図した基本書体と、流れるような筆致が美しい書体として収録された。さらに、雪蛍は毛筆の落ち着いた筆致、翠光は荒々しい筆致、雲天は手書きの温かみを表現した書体となっている。これらの書体はいずれも等幅とプロポーショナルの2種類の文字幅で提供される。
今回のフォント提供により、デジタルコンテンツ制作における日本語表現の選択肢が大幅に拡大される。特に、ブランドアイデンティティの確立や文化的背景を重視したデザイン制作において、これらの伝統的フォントの活用が期待される。提供は「Monotype Fonts」「MyFonts」「FONTPLUS」を通じて開始されており、「フォントワークス LETS」への展開も準備が整い次第実施される予定だ。
出典: Monotype、フォントワークスと連携し「勘亭流」「千社札」など日本語フォント8書体を「Monotype Fonts」「MyFonts」にて提供開始