ポータブルカセットプレーヤーの包括的なデータベースサイト「Walkman.land」が、デザイン・テクノロジー系の著名キュレーションサイトSidebar.ioで取り上げられ注目を集めている。25社のメーカーにまたがる1,017台のモデルを収録し、1台あたり77のパラメータを網羅した、個人プロジェクトとは思えない規模と品質のアーカイブである。
サイトの冒頭には「WalkmanLandは、昨日のポケットテープデバイスに敬意を表する」と記されている。1979年にソニーが初代TPS-L2を発売して以来、ウォークマンは「現代社会における人々の行動に最も影響を与えたデバイスのひとつ」として位置づけられてきた。個人が音楽を持ち歩くという行為を世界中で一般化させ、その後のCDウォークマン、iPod、そしてスマートフォンへと連なるポータブルオーディオの系譜を生み出した歴史的存在である。
データベースとしての情報設計も極めて緻密だ。メーカー別、シリーズ別、カラー別、電池タイプ別、製造国別など多角的なブラウジングが可能で、高度な検索機能も新たに実装されている。各モデルの個別ページには複数アングルの製品写真、当時の雑誌広告やパンフレット、さらにはファンコミュニティによるアートワークまでが丹念に収録されている。318件に及ぶ詳細な解説文では、各モデルの技術的特徴や市場でのポジショニングについても語られており、コミュニティ機能ではユーザーによる所有モデルの登録やコメントも可能だ。
単なるノスタルジーに留まらず、プロダクトデザインの変遷を時系列で俯瞰できる貴重なリソースである。カセットテープという物理メディアの制約の中で、各メーカーがいかに小型化・軽量化を追求し、操作性やデザイン言語で差別化を図ったかを一望できる。制約がイノベーションを促した好例として、現代のプロダクトデザイナーにとっても多くの示唆を与えてくれるだろう。
出典: Walkman.land









