ブランディング

「理解しようとしないで」:中国・鄭州のスタジオCoootが描く心地よい不確かさのブランディング

2026.07.07編集部
「理解しようとしないで」:中国・鄭州のスタジオCoootが描く心地よい不確かさのブランディング

中国・鄭州(ていしゅう)を拠点とするブランディングスタジオ「Cooot」が、独特の設計思想で国際的な注目を集めている。2020年にBai Mi(バイ・ミー)が設立した同スタジオは、ブランディングやパッケージ、イベントデザインを世界に向けて手がけ、BranDやIdN、The Brand Identity、Dielineといった媒体に作品が取り上げられてきた。

Coootの核にあるのは「惰性のなかで突破する」という考え方だ。可読性を保ちながらも、視覚的な慣習をほんの少しだけ押し広げ、見る人に驚きを残す。Bai Miは「まず作品を"理解"しようとするのではなく、微かな不確かさを感じてほしい」と語る。見慣れないものに一瞬とまどい、それがすぐに親しみへと戻っていく——その束の間のズレこそが狙いだという。

制作のプロセスは直感的で、状況に応答するように進む。日常のふとした場面や映画、市場、街にあふれる商業的なビジュアル文化から着想を得るが、慣習を模倣するのでも、それに反発するのでもない。既存の文脈と距離を取りながら、心地よい違和感を丁寧に組み立てていく。

その姿勢は具体的な仕事によく表れている。カクテルシリーズ「PocketTAILS」では、グラスの形状ごとに色とグラフィックを整理し、オリーブ、テラコッタ、ブラッシュ、セージといった落ち着いた配色でまとめた。コーヒーブランド「BLO*R」では、コーヒーチェリーが緑から黄、そして深い赤へと熟していく自然な色の変化そのものを、パッケージ全体を貫くビジュアルシステムへと翻訳している。

Coootは今後、さまざまなメディアへと視覚的な実験を広げていく構えで、2026年後半には個展の開催も予定している。「わかりやすさ」が重んじられがちなブランディングの世界で、あえて不確かさを設計する姿勢は、記号を扱うすべてのデザイナーにとって刺激的な問いを投げかけている。

出典: 'Don't try to understand it': Meet Cooot, the studio making branding feel wonderfully uncertain

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