
ブレインストーミングとは?自由な発想をもとに新しいアイデアや問題解決策を集める手法

ブレインストーミングとは、参加者の自由な発想をもとに、新しいアイデアや問題解決策を集めるために行われる会議手法です。アイデアの評価や批判を避けて、自由にアイデアを発散することに注力する方法として、問題解決や新製品開発、ビジネス戦略立案、チームビルディングなどに広く活用されています。
このように、ブレインストーミングはビジネスの現場でもよく取り入れられているため、多くの人が一度は参加したことがあるのではないでしょうか?しかし、シンプルで取り入れやすい一方、進め方次第では結果的にあまり良いアイデアが出ないこともあるのではな いかと思います。この記事では、ブレインストーミングのやり方はもちろん、効果的な成果を得るために重要となるポイントについて解説します。
ブレインストーミングはダブルダイヤモンドの「発散」フェーズに最適
そもそもブレインストーミングはどのようなタイミングで効果を発揮するのでしょうか?ここでは、デザイン思考における課題解決のプロセス『ダブルダイヤモンド』に沿ってブレインストーミングを取り入れるべきタイミングを紹介します。
ダブルダイヤモンドの2つのフェーズ

ダブルダイヤモンドとは、イギリスの英国デザイン協議会が開発したデザイン思考プロセスのモデルです。このモデルは、ダイヤモンド型の2つのフェーズ(発散フェーズと収束フェーズ)が連続した形をしていることから、ダブルダイヤモンドと呼ばれています。このモデルでは、デザインプロセスを以下の4つの段階に分けます。
1. 発見(Discover)
プロジェクトのコンテキストや課題を理解し、リサーチを行います。この段階では情報を収集し、アイデアを広げることが重要です。
2. 定義(Define)
リサーチから得られた情報を分析し、問題やニ ーズを特定、明確化します。この段階では、問題解決のために焦点を絞り込むことが重要です。
3. 展開(Develop)
問題を解決するためのアイデアやコンセプトを生成し、それらを詳細化します。この段階では、再びアイデアを広げ、さまざまな解決策を検討することが重要です。
4. 提供(Deliver)
最も効果的な解決策を選び出し、実装に移します。この段階では、プロトタイプやテストを通じてアイデアを具体化し、最終的なデザインを仕上げます。
デザイン思考のフレームワークとして知られるダブルダイヤモンドですが、その基礎となる「発散と収束を繰り返す」という点は、多くの課題解決のプロセスにおいて意識せずとも取り入れられているのではないでしょうか?このプロセスの中で、アイデアを広げる「発散」のフェーズにおいて、できるだけ多くの可能性を探求する方法としてブレインストーミングは力を発揮します。
「広く浅いアイデア」ばかり集まってしまう?ブレインストーミングの4つのルールとその弱点とは?

一般的にブレインストーミングでは、参加者から広くアイデアを集めるために以下の4つのルールが設けられています。
他人のアイデアを批判・評価しない
自由にアイデアを出す
質より量に集中する
アイデアに関連性を見つけてまとめる
これらのルールは、参加者が遠慮することなく自由に思いついた意見を発表できる環境を作るために特に重要となります。しかしながら、時間的な制約もあるブレインストーミングの場では、時にこれらのルールが逆効果となり「一般的」であったり「広く浅い」アイデアばかりが集まってしまうようなことが多くあります。では、参加者に自由な発言を促しながらもより、クリエイティブなアイデアを集めるためにはどのような点に気をつけると良いのでしょうか?
ブレインストーミングから効果的なアウトプットを得るために必要な2つのポイント

ブレインストーミングの参加者はプロジェクトのメンバーやステークホルダーなど、時と場合によって様々だと思いますが、ブレインストーミングでは「課題に対する参加者の理解度が高ければ高いほど、質の高い成果が得られる」傾向にあります。極端な話、議題のトピックに関する専門家が集まってブレインストーミングをすると、質の高いアウトプットが得られそうですよね?
1. ブレインストーミングの目的と背景について参加者に正確に共有すること

とはいえ、チームメンバー内で気軽に開催できることもブレインストーミングのメリットであり、基本的には様々なバックグラウンドを持った人がブレインストーミングに参加していることが多いのではないでしょうか?このような場合には、参加者に議題となるトピックに関する前提知識として、「ブレインストーミングの目的と背景について正確に共有すること」が大切となります。
なぜ、その課題を解決する必要があるのか?
今までどのようなアイデアが検討されてきたのか?
ブレインストーミング開始時には、このような質問に参加者全員が明確に答えられることを確認してから実施すると良いでしょう。時間的な制約がある場合には、議題共有のためのセッションとブレインストーミングを2段構成として分けて実施するのも良いかもしれません。また、ブレインストーミング参加者の「当事者意識」を高めるためにも課題の背景をしっかりと共有することは大切です。また、今までブレインストーミングを主催してみて「参加者があまり積極的に参加してくれない」というような課題を抱えたことがある人は、「なぜ」を語ることが人を動かすというゴールデンサークル理論を参考にしてみると良いかもしれません。