Nielsen Norman Group(NN/g)が、AIエージェントを使いこなす人々への調査から、エージェントに与えるコンテキストは3種類に整理できると提示した。グローバル・ローカル・アンビエントという役割の違いが、情報をどこに置き、どう連携させるかを決めるという考え方だ。
グローバルコンテキストは、複数のやり取りをまたいで持続し、エージェントの基本的な振る舞いを形づくる土台である。ユーザープロフィールや品質基準のテンプレート、どこまでを自動で進めどこから承認を求めるかというガバナンス規則、ブランドガイドライン(ヘックスコードやデザインルール)などが含まれる。毎回の会話で細部を指定せずに済むのが強みだ。
ローカルコンテキストは、いま進めているプロジェクトに結びついたタスク固有の情報を指す。タスクリストや変更履歴、特定の手順をまとめたエージェントのスキル、会話の履歴、Notionのレコードや調査レポートといったプロジェクト用データベースなどだ。関係のない作業に影響を与えずに、エージェントが読み書きできるファイルやデータベースに置かれる。
アンビエントコンテキストは、ユーザーが事前に整理しない、生の情報ストリームである。メールやSlackのメッセージ、会議の書き起こし、Shopifyのエクスポートや解析ダッシュボードといったリアルタイムのデータが該当する。量が多く手作業での整理が現実的でないため、APIやMCP(Model Context Protocol)で接続し、キュレーションより流量を優先して受け入れる。
適切なコンテキストがなければ、エージェントはユーザーのニーズやビジネス目標、プロダクトのブランドを反映しない、汎用的で問題含みの出力を返しかねない。「この情報はすべてのタスクに関わるのか(グローバル)、このプロジェクトだけか(ローカル)、整理する暇のない背景情報か(アンビエント)」——自分のAIワークフローをこの問いで棚卸しすることが、デザイナーにとっても効率化の出発点になる。









