McLarenが、ブランドアイデンティティを刷新した。全面的な作り替えではなく「進化」と位置づけられた今回の中心は、新しいワードマークだ。McLaren AutomotiveとMcLaren Racingの両部門——市販車、F1、IndyCar、WEC——にわたって、統一して用いられる。
新しいワードマークが着想源とするのは、ニュージーランド・オークランドのレミュエラにあった、McLaren家のガソリンスタンドの手描き看板である。創業者Bruce McLarenの両親Les とRuthが営んだこの場所こそ、若きBruceが自動車への情熱を育み、初めてのレース優勝車を組み上げた原点だった。その文字の骨格を、現代の用途に合わせて洗練させている。
一方で、受け継がれた要素もある。リアウイングの渦から着想された1997年導入のシンボル「スピードマーク」、シグネチャーカラーの「パパイ ヤオレンジ」、そして1980年代に主要ロゴから姿を消しながらもモチーフとして残ってきた紋章「スピーディ・キウイ」だ。刷新と継承のバランスをとった構成といえる。
発表は2026年9月24日。McLarenは、この1年をかけてBruceの遺したものを語り継いできたと説明する。折しもF1通算1000戦目を迎え、モナコ、インディ500、ル・マンを同時に戦うシーズンでもある。デザイン記事は制作を担ったエージェンシーや担当者名には触れていない。
歴史ある企業が、創業の原風景に立ち返りながらブランドを更新していく——グローバルなモータースポーツブランドの一手ながら、ルーツの物語をどう現在の造形に落とし込むかという点で、ブランディングに関わるデザイナーにも示唆のある事例だ。
出典: McLaren evolves its identity with a wordmark inspired by Bruce McLaren's family garage









