デザインエンジニアのジム・ニールセンが、生成AIのインターフェースが独自のビジュアルと操作の作法を確立しつつあると論じている。かつてモバイルの制約がハンバーガーメニューを生んだように、AIという技術ならではの性質が、この先何年もソフトウェアに残り続ける美学を生み出しているという見立てだ。
象徴的なのがキラキラした「✨(スパークル)」の絵文字だ。いまやAI機能を示す視覚的な記号として定着し、虹や魔法めいたモチーフとともにAIの世界観を表している。第二に「ストリーミングするテキスト」。文字が少しずつ現れる表現はチャット系のインターフェースで洗練されたが、会話以外への応用は限られるとも指摘する。
三つめが「シマー(きらめき)するテキストアニメーション」だ。もともとはAIが「考えている」状 態を示す演出だったが、いまや読み込みや計算といった非同期処理を示す汎用的なサインとして各所に転用され始めている。四つめとして挙げられるのが、細く小さなアイコンの流行である。ClaudeやCursor、CodexといったAI系デスクトップアプリに顕著で、macOS本来の作法とはあえて衝突するこの意匠が、AI独自の視覚言語をかたちづくっているという。
さらにニールセンは、ベージュやクリーム色の配色、オレンジのアクセント、セリフ書体、そしてAIの非決定的な性質を映したかのように予測のつかないUIコントロールも、その美学の一部だと列挙する。どれも一過性の流行なのか、それとも定着する様式なのか——判断はまだつかない。
この論考が投げかけるのは、こうしたAI由来の作法のうち、どれがソフトウェアの操作パラダイムに永く根を張り、どれが消えていくのかという問いだ。AI機能の実装が当たり前になりつつある日本のデザインの現場でも、無自覚に流行を取り込む前に、その意匠が何を意味するのかを見極める視点を与えてくれる。
出典: The AI aesthetic









