デザイナーの Pablo Stanley が UX Collective で発表した記事「The Design Vibeshift」は、デザイン業界に起きている大きな変化を指摘している。多くのデザイナーにとって、コードが新たなキャンバスになりつつあるという内容である。
従来、デザイナーはFigmaやSketchといったデザインツールで静的なモックアップを作成し、それをエンジニアに引き渡すワークフローが一般的であった。しかし、AIを活用したコーディングツールの台頭により、この構図が急速に変わりつつある。CursorやClaude Codeといったツールを使えば、デザイナーは自然言語で意図を伝えるだけで、動作するUIコードを生成できるようになった。
この変化は「バイブコーディング」とも呼ばれ、デザイナーがプログラミングの専門知識を持たなくても、自らのビジョンを直接コードとして実現できる可能性を開いている。プロトタイプの段階を飛ばし、最初から動くプロダクトを作り上げるデザイナーも増えている。デザインとエンジニアリングの境界線が曖昧になり、これまでの分業体制が根本から見直されようとしている。
一方で、この転換はデザイナーの役割そのものにも影響を及ぼす。ビジュアルデザインのスキルだけでなく、システム思考やプロダクト全体を俯瞰する力がより求められるようになるだろう。AIがコードを書く時代において、デザイナーの真の価値は「何を作るか」を定義する力にこそある。
デザイン業界はいま、ツールの進化によって大きな転換点を迎えている。コードを恐れるのではなく、新たな表現手段として受け入れることが、次の時代のデザイナーに求められる姿勢なのかもしれない。





