Nielsen Norman Groupが、ECサイトや情報サイトに設置されたAIチャットボットに対するユーザーの認知と利用実態を調査した。9名の被験者に8つのチャットボットを操作させたユーザビリティテストの結果、多くのユーザーがチャットボットの存在に気づかない、あるいは利用する理由を見出せないことが明らかになった。
調査で浮上した主な課題は7つある。まず発見性の低さで、テキストラベルのない小さなアイコンや低コントラストの表示により、常連ユーザーでさえチャットボットの存在を見落としていた。次に過去の低品質なカスタマーサポートボットの経験からくる懐疑心があり、LLM搭載の新世代チャットボットにも同じ不信感が向けられていた。「How can I help?」のような曖昧な挨拶文は具体的な機能を伝えられず、価値提案が不明瞭という問題も指摘された。
さらに、既存の検索やフィルタリング機能と比較してチャットボットが劣勢となるケースが多く見られた。チャットボットは一度に表示できる情報量が少なく、カルーセル形式のナビゲーションは比較検討を難しくする。ユーザーは最初の提案で満足する「サティスファイシング」ではなく、選択肢を最大化して比較したいと考えていたのである。
一方で有効なケースも確認された。商品詳細ページでの仕様に関する具体的な質問への回答、ユーザーが思いつかなかった検討事項の提示、複数の情報源を統合する必要がある複雑な個別質問への対応である。NNGroupは、既存機能で解決済みの課題にチャットボットを重ねるのではなく、未解決のユーザー課題を起点に設計すること、そして「お手伝いできることはありますか」ではなく「どのプランが合うか比較できます」のような具体的な文脈提示を推奨している。









