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「バービー」から中世写本まで:テディ・ブランクスのタイトルデザインという仕事

「バービー」から中世写本まで:テディ・ブランクスのタイトルデザインという仕事

It's Nice Thatが、映画のタイトルシーケンスを数多く手がけるデザイナー、テディ・ブランクスの仕事を掘り下げている。ブランクスは2009年にブルックリンでグラフィックデザインスタジオ「Chips」を共同設立した人物で、オバーリン大学時代にレナ・ダンハムの短編映画のタイトルを手がけたことがキャリアの出発点になった。以降、話題作のオープニングを次々と担当している。

『バービー』(2023年)では、マテル社の高解像度パッケージスキャンを一つひとつ手作業で切り抜いてアニメーション化し、30年以上前に廃止されていたロゴタイプを蘇らせた。さらにeBayで購入した実物のバービー人形から文字を採取し、いわば「半分だけのアルファベット」から独自のフォントを組み上げたという。既製の書体を選ぶのではなく、作品世界そのものから文字を立ち上げていく姿勢がうかがえる。

その仕事の核心は、観客が意識的には気づかない深い関連性を静かに埋め込むことにある。ザック・クレッガー監督の『ウェポンズ』では、一見シンプルなロゴの「O」の中に三角形を配し、アルコール依存症の自助グループ(AA)のシンボルを忍ばせた。作品が抱えるアルコール依存のテーマと結びつくこの仕掛けに、監督自身が驚いたと語られている。ロバート・エッガース監督の『ヴェアウルフ』では14世紀の中世写本を参照し、装飾的な大文字書体と黒文字書体を組み合わせ、当時の写本用紙をスキャンしたテクスチャーをPhotoshopの変位マップで重ねている。

一方でブランクスは、タイトルデザインの役割をあえて限定的に捉える。「素晴らしい映画の中にも出来の悪いタイトルは山ほどある」——つまりタイトルが映画の価値を決めるわけではない、という認識だ。デヴィッド・ロウリー監督の『グリーン・ナイト』での経験から、映画では毎回まったく異なるフォントやデザイン、色を用いてよいのだと学んだという。一貫したデザインシステムへの適合よりも、その瞬間に観客へ与える印象こそが本質だと彼は考える。

だからこそ彼のプロセスは徹底した歴史的リサーチから始まる。『ニッケル・ボーイズ』では実在したドージャー校の手描き看板を調べ上げたが、それは最終的に画面には登場しない。それでも「物語につながる本物の何かへの、言葉にならない感情的なつながりが宿る」と彼は信じている。目に見えない土台にどれだけ本物を積み上げられるか——タイトルデザインという短い時間芸術に対する、その真摯な向き合い方が印象に残る。

出典: Step inside Teddy Blanks' film title design process

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