
Webサイトにとって検索エンジンが重要なユーザー獲得経路であることはよく知られていると思います。しかし、WebサイトをデザインするデザイナーにはSEOに効果的なサイトの設計方法やデザインはあまり知られていないのではないでしょうか?デザイナーの中にも、「Webサイトをデザインする際にSEOに関する知識がなくて不安」という方は多いかと思います。今回は、そんなデザイナー向けに「デザイナーも知っておくと安心なSEOに効果的なWebデザインのポイント」を5つ紹介します。
大前提として、Googleは「ユーザー体験が良いサイト」を重視している。
まず、大前提としてGoogleは「ユーザーにとって良い体験を提供するサイトを検索結果の上位に表示する」という方針をとっています。そのため、実は「良いユーザー体験を提供する」というデザイナーの本来の目的に忠実にサイトをデザインすれば自然とSEOにも効果的なサイトとなるということもできます。
そのため、実はユーザーのニーズに合った適切なコンテンツやデザインを届けていれば、デザイナーとして「SEOの観点でこのデザインは良いのだろうか?」などと過度に不安になる必要はないとも言えます。ユーザーインタビューなどを通してユーザーの正しいニーズを把握してサイトを設計することの方が、細かなSEOテクニックよりも重要ということです。「ユーザービリテ ィ」に関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。とはいえ、知っておくだけで取り入れることができるようなSEOに有効なデザインパターンといったものはいくつか存在するので、今回はそれらをまとめて紹介していきます!
セクションタイトル: ターゲットキーワードを含めた短い説明文を付けよう
これは、ページ内にテキストが少なくなりがちな場合に有効なデザイン施策です。コンテンツを提供するサイトのホーム画面などでシンプルにデザインしようとすると、どうしても文章が少なくなりがちですよね。このような場合、ページ内のそれぞれのセクションが何を示しているのかが検索エンジンに伝わりにくいことがあります。もちろん、ブランディングやサイトの見た目との兼ね合いもありますが、このような場合にセクションタイトルの下にそのセクション の内容を端的に説明する文章を記載するという手法があります。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/feature/ut-magazine/
これによって、検索エンジンはそのセクションの内容を理解することができるようになり、セクションに付随する「もっと見る」ボタンでリンクされている一覧ページとターゲットキーワードの関連性を高めることができます。上記の『UT magazine』では「Styling Book」というセクションタイトルの下に、「UT着こなし紹介」という説明文を加えていますね。このセクションの「もっと見る」のリンク 先のページで、「着こなし」という検索キーワードを狙っていることがわかります。実際にリンク先のページは、「ユニクロ 着こなし」で検索するとトップの検索結果として表示されています。
ナビゲーション設計: 関連コンテンツを内部リンクでつなごう
これは「トピッククラスター戦略」として知られているSEO戦略で、「関連性の高いコンテンツ同士をリンクで繋ぐ」という施策です。Googleはサイト内に張り巡らされたリンクを解析して、関連度の高いコンテンツを「まとまり」として評価します。たとえば、ECサイト内で特定のブランドの商品ページがお互いにリンクで繋がれていれば、それらをまとまりとして認識し、そのブランド名での検索に関するWebサイトの評価を高めることに繋がります。逆に、これらのページがうまくリンクされていない場合には、関連ページの評価はバラバラになってしまい、SEO効果が下がってしまいます。メディアサイトであれば関連記事、ECサイトであればブランドやカテゴリーなど、関連性の高いコンテンツを「まとまり」として定義し、「サイドナビゲーション」や「関連コンテンツ」セクションを使ってお互いのページにリンクを貼るような設計にすると良いでしょう。
https://zozo.jp/brand/nike/
また、このような場合に効果を発揮するのが「ハブページ」と呼ばれるものです。ハブページとは、関連コンテンツのハブ(中心)となるようなページのことで、特集ページやカテゴリーページをイメージするとわかりやすいかもしれません。ECサイトのように、特定のブランドの商品ページがたくさん存在する場合、それらすべてをお互いにリンクするのは難しいですよね。そのような場合にも効率的にリンクを張り巡らすことができる方法として、この「ハブページ」を作るという方法があります。この方法であれば、関連ページ集とそれぞれの個別ページをリンクすることで、効率的にトピックの「まとまり」を作ることができます。
上記のZOZOTOWNの例では、「Nike」という検索ワードに対してサイトの評価を高めるために、Nikeのブランド概要などを含む商品一覧ページを作り、個別の商品ページからのこの「ハブページ」と別のNikeの商品へのリンクを貼っています。このZOZOTOWNのNikeのページは、日本だけでも月間45万回以上も検索されてい る「Nike」というキーワードでの上位表示を獲得しています。
- SEOに効果的なコンテンツハブページのデザイン
- ECサイトやメディアサイトなどで「ハブページ」を設ける際には、そのカテゴリーやブランドの概要説明などをトップに設けると効果的。
パンくずリスト: 実は検索結果での表示にも影響する
Webサイトをデザインする際に意外と忘れられがちなのが「パンくずリスト」です。このパンくずリストですが、「サイトの構造を把握しやすくなる」や「サイト内の前の階層に戻りやすくなる」といったUX的なメリットもありますが、正直「ブラウザのボタンで前のページは戻れるし、モバイル端末ではあまり使用しないかも」と思いますよね。しかし、このパンくずリストは3つの理由からSEOにとって大変重要なコンポーネントなのです。
■ パンくずリストのSEO効果