新着のデザイン関連ニュース
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メンターシップという成長装置:正しく使うための実践知Nielsen Norman Group(NN/g)のエヴァン・サンウォールが、メンターシップを「若手だけのもの」とする思い込みを退け、キャリアを通じて効く成長の仕組みとして捉え直している。研究によれば、メンティー(教えを受ける側)は昇進が増え、キャリア満足度や報酬が高まり、燃え尽きが減る。メンター制度を持つ組織では、周縁化されがちな層の昇進・定着率が最大24%向上したというデータも紹介される。 メンターシップには二つの機能があるとされる。ひとつはコーチングや保護、機会の提供
AIの美学:生成AIツールが生み出す新しいビジュアルの語彙デザインエンジニアのジム・ニールセンが、生成AIのインターフェースが独自のビジュアルと操作の作法を確立しつつあると論じている。かつてモバイルの制約がハンバーガーメニューを生んだように、AIという技術ならではの性質が、この先何年もソフトウェアに残り続ける美学を生み出しているという見立てだ。 象徴的なのがキラキラした「✨(スパークル)」の絵文字だ。いまやAI機能を示す視覚的な記号として定着し、虹や魔法めいたモチーフとともにAIの世界観を表している。第二に「ストリーミングするテキス
要素そのものを象る新CSS「border-shape」:装飾を保ったまま自由な形へCSSTricksに、テマニ・アフィフによる新しいCSSプロパティ「bordershape」の解説記事が掲載された。要素を自由な形に象りながら、ボーダーやドロップシャドウ、アウトラインといった装飾をその輪郭に沿わせられる——従来のclippathにはできなかった振る舞いを実現するプロパティである。 肝心なのはclippathとの違いだ。clippathは装飾ごと切り抜いてしまうため、せっかくのボーダーや影が消えてしまう。一方のbordershapeは要素を「切り抜く」のではな
UXに代わる新しい呼び名は現れなかった:604人調査が示す職種名の現在地「UX」という呼び名はもう古いのではないか——そんな議論が絶えないなか、Nielsen Norman Group(NN/g)のレイチェル・バナワが、この問いに調査で答えを出している。結論は明快だ。UXに取って代わる新しい呼称は、いまのところ現れていない。 調査は2026年4月、世界の技術・デザイン職604人を対象に行われた。工夫されているのは質問の仕方だ。「UX」という言葉を出さずに仕事の定義だけを提示し、その領域を自由に名づけてもらう間接的な手法をとった。先入観を排し、人々
アルゴリズムのアトリエ:生成AIは芸術の自動化史の最新章にすぎないデザインメディアDOCに寄稿されたジョシュア・リーの論考が、生成AIをめぐる不安を歴史の文脈に置き直している。創造の現場に技術が入り込むたびに、既存の担い手は「魂がない」と道徳的な警戒を示してきた。AIはその繰り返しの最新形であって、断絶ではない——というのが一貫した見立てである。 歴史的な例が次々と引かれる。カメラ・オブスクラを用いたとされるフェルメール。ラファエロが50人超の助手を抱え、ドレープや背景を分業させ、自らは核心だけに専念したルネサンスの工房(アトリエ)制度。「
レイアウトの振り付け:要素が瞬間移動する違和感を解く動きの設計デザインエンジニアのカール・コッホが、インターフェースの「瞬間移動」を扱った実践的な論考を公開した。リストから項目を削除すると下の要素が一気に上へ詰まり、行を挿入すれば既存のコンテンツが飛び退く。パネルを開けば隣接する要素が即座に再配置される。DOM上は正しくても、状態の変化と動いた対象とのつながりが一瞬で断たれ、読み手は文脈を見失う。この断絶に目に見える経路を与えるのが「レイアウトの振り付け(layout choreography)」だという。 問題の本質は、技術的な誤りで
「プロダクトセンス」を定義する:才能ではなくパターン認識という技術しばしば曖昧に語られる「プロダクトセンス」を、Nielsen Norman Group(NN/g)のタナー・コーラーが明快に定義し直している。共感力やクリエイティビティといった抽象的な言葉で片づけるのではなく、測定可能な意思決定の技術として捉えるのが特徴だ。 筆者による定義はこうだ。「プロダクトセンスとは、いま直面している課題が過去の成功や失敗と一致することを見抜き、似た解決策が望む成果にどう影響するかを確実に見積もる能力である」。センスの正体は、生まれ持った才能ではなく、経
AIが設計する時代のUX:成果物から「文脈のキュレーション」への転換Nielsen Norman Group(NN/g)のトニー・アリセアが、AIがインターフェースを生成する時代のUXの役割を「UX文脈デザイン(UXContext Design)」という言葉で捉え直している。人間に読ませるための 成果物をつくる仕事から、AIの生成を導く文脈を整える仕事へ——デザイナーの立ち位置そのものが移り変わりつつあるという指摘だ。 筆者はこれを「組織が何を知り、何を望んでいるかを発見し、AIツールが生成するすべてを導く文脈へとキュレーションする実践」と定義
Kotoが挑む「手の届く書体」:デザイン会社が自らフォントファウンドリを立ち上げた理由Creative Boomが、ブランディン グエージェンシーKotoによる新しいフォントファウンドリ「CcType」の立ち上げを報じている。AmazonやGoogle、Netflixといった大手クライアントのために10年以上書体をつくってきた同社が、今度は自らの名を冠した製品を、消費者に直接売る側へと回る。守秘義務の陰に隠れてきたエージェンシーにとって、これは大きな戦略転換である。 Kotoの共同創業者で最高クリエイティブ責任者を務めるジョーウィー・ローデンは、CcTypeを「
AIノートアプリGranolaのリブランド :あえて「不完全」な手書きロゴが人間味を宿すCreative Boomが、デザインエージェンシーRagged Edgeによる、AIノートアプリGranolaのリブランドを取り上げている。会議の記録を担うこのツールの新しいアイデンティティは、生産性アプリにありがちな磨き上げられた完璧さとは正反対の方向へ振り切った。「あえて不完全に、まぎれもなく人間らしく」——それが全体を貫く思想である。 中心にあるのは、手書きのメモを思わせる有機的で自由な形の「G」のロゴだ。共同創業者サム・スティーブンソンの実際の筆跡をもとにした専用の
Facebookのデザインは進化ではなく退化した:エンゲージメント最適化が招いた混乱Web Designer Depotに掲載されたルイーズ・ノースの論考が、Facebookのデザインをめぐる不都合な事実を突きつけている。かつて最も明快だったソーシャル体験は、時間をかけて良くなったのではなく、むしろ劣化した——それも、エンゲージメント指標への最適化を積み重ねた結果として、というのが筆者の見立てだ。「Facebookは一夜にして悪くなったのではない。最適化の果てに、自ら混乱へと陥ったのだ」。 象徴的なのが「予測可能性の喪失」である。時系列フィードからアルゴリズ
「もっとAIを」は幻想か:人々が本当に求めるAI機能とはSmashing Magazineに寄稿されたヴィタリー・フリードマンの論考が、多くの企業が抱く前提に冷や水を浴びせている。「誰もが新しいAI機能を渇望している」という思い込みは正しいのか。現実には、大半の人はそこまでAIを求めていない——少なくとも、AI推進派が思い描く形では、というのが筆者の主張である。 根拠として引かれるのは、いくつかの調査だ。IBMの2026年の調査では、AIの導入率と定着率がともに低い水準にとどまる。生産性に関する研究では、メールに費やす時間が104
信頼されるサイト内AIチャットボットの5つの条件Nielsen Norman Group(NN/g)が、特定のサイトに組み込まれるAIチャットボットが備えるべき五つの品質を整理した。汎用チャットではなく、企業サイトやサービス内で顧客に応対するボットを対象に、ユーザーの信頼を得る設計要件を具体的に示している点が実務的だ。 第一の要件は「引き継ぎへの前向きさ」である。ユーザーはAIを人間のサポートと同等とは見なさない。だからこそ、有人対応を求められた際に取り次ぎを渋ってはならないと筆者は釘を刺す。「ユーザーが明示的に人間との接
軽量な技術で描く没入体験:WebGL作品「The Sleepers」の舞台裏デザイン系チュートリアルサイトのCodropsに、印象的なWebGL作品「The Sleepers」の制作手法を解説した記事が掲載された。作者はティボー・フサール。Bruno SimonによるThree.jsチャレンジへの応募作で、「最も複雑な技術ではなく、最もシンプルな解法で最大の視覚的インパクトを狙う」という思想が全体を貫いている。 まず紹介されるのは、画面全体を彩る「渦を巻くようなトランジション」だ。白黒のテクスチャをポストプロセスシェーダーの入力値として使い、グレース
デザインシステムの成熟度を測る6つの軸:直線的な進化という幻想を超えてNielsen Norman Group(NN/g)のフエイシン・ワンが、デザインシステムの成熟度を評価するための新しい枠組みを提示した。従来のように「初期段階から成熟段階へ一直線に進む」という見方を退け、複数の軸から多面的に捉え直す点に特徴がある。実際のデザインシステム運用は、もっと入り組んでいるというのがその主張だ。 筆者が挙げるのは六つの評価軸である。ひとつめは「組織的な整合性」。経営層の後押しや予算の安定、戦略上の位置づけ、部門横断的な合意が、組織変更を越えてシステム
ブランド戦略を視覚に翻訳する:優れたアイデンティティが生まれる「コンセプト前」の設計思考Smashing Magazineに寄稿されたブランドデザイナー、アナスタシア・シチェバの論考が、優れたブランドアイデンティティが生まれる場所は「Figmaの中ではない」と説く。強い視覚コンセプトは、デザインツールを開く前の準備段階、すなわち戦略を言語化する「コンセプト前」の作業にこそ宿るという主張である。 筆者はまず、ブランディングの失敗の多くが戦略フェーズで起きると指摘する。「モダン」「信頼できる」といった言葉が定義されないまま共有された結果、依頼主が思い描く印象とデザイ
ReDesigner、AI時代のデザイナーを後押しする「The Designers' Turn 2026」を始動Goodpatchが運営するデザイナー特化型のキャリア支援サービスReDesignerが、AI時代のデザイナーのキャリアと機会に向き合う新プロジェクト「The Designers' Turn 2026」を始動した。生成AIの急速な進化がデザイン業界の前提を塗り替えるなか、変化を不安ではなく転機として捉え直すことを狙いに据えた取り組みである。 背景にあるのは、制作現場の急激な変容だ。Figma MakeやClaude Designといったツールの登場により、自然言語による指示だ
「100倍デベロッパー」の逆説:AIは開発者の思考力と手仕事を蝕むのかWeb Designer Depotに掲載された論考が、AI時代の生産性をめぐる不都合な逆説を突いている。AIはかつてない速さでプロダクトを世に出すことを可能にした。しかしその裏側で、作り手の思考力そのものが静かに削られているのではないか、という問いである。 まず語られるのは、スピードと深さのトレードオフだ。今や開発者は週末だけでフルスタックのアプリを組み上げられる。だが、その足元にあるシステムへの理解は置き去りにされたままだ。生産性の指標は改善しても、実際に考える力は目減り
「理解しようとしないで」:中国・鄭州のスタジオCoootが描く心地よい不確かさのブランディング中国・鄭州(ていしゅう)を拠点とするブランディングスタジオ「Cooot」が、独特の設計思想で国際的な注目を集めている。2020年にBai Mi(バイ・ミー)が設立した同スタジオは、ブランディングやパッケージ、イベントデザインを世界に向けて手がけ、BranDやIdN、The Brand Identity、Dielineといった媒体に 作品が取り上げられてきた。 Coootの核にあるのは「惰性のなかで突破する」という考え方だ。可読性を保ちながらも、視覚的な慣習をほんの少しだけ押し広
EVブランドWottzのリブランド:ロゴに潜む1つの稲妻が個性を生む英国のLark Design Studioが手がけたEV充電ケーブルブランド「Wottz」のリブランドが注目を集めている。派手な仕掛けではなく、ロゴのなかにひそませた小さな一点にブランドの人格を宿らせた、抑制の効いた仕事だ。 その核心は、ブランド名「Wottz」の 「tt」をつなぐ横棒に、稲妻のかたちを忍ばせたことにある。言われて初めて気づく類の細部で、AmazonやFedExのロゴに隠された図像と同じ発想である。電力を扱うブランドの本質を、声高に説明するのではなく、見る人が発
iOS 27ベータ、Siriの「話す速さ」と「表現力」を調整可能にAppleが、7月6日に配信したiOS 27ベータ3で、Siriの声を調整するための2つの設定を追加した。ひとつは話す速さを変える「ペース」、もうひとつは人間らしい感情の込め方を変える「表現力(expressivity)」である 。生成AIを軸にSiriを再構築するAppleの取り組みが、ユーザーの手元に少しずつ姿を現し始めた。 操作の流れはシンプルだ。まず複数の異なるアクセントを持つ声のなかから好みのものを選び、続いてスライダーでペースと表現力を微調整する。「You have
矢印をデザインする:書体に溶け込む1グリフの難しさ矢印は、2本の斜めの線が角度をなして「動き」や「方向」を生み出す、きわめて単純な記号である。しかしPangram Pangramの記事は、その単純さこそが書体に組み込む際の難しさだと説く。 最大 の難関は、方向ごとに一貫した印象を保つことにある。あるデザイナーは「異なる方向でストロークの太さを揃えることが最も難しい」と語る。とりわけ90度で線が交わる部分は、コントラストの低い書体では巧妙な調整を要する。単純に回転させただけでは、太さや重心の印象が方向によってばらついてしまうのだ
すべてのAIをチャットにするな:意図に合わせてモダリティを選ぶUI設計生成AIの機能を、なぜか何でもチャット画面に詰め込んでしまう——Smashing Magazineの記事は、こうした「会話への視野狭窄(conversational tunnel vision)」に警鐘を鳴らす。大規模言語モデルが対話データで学習されているからといって、あらゆる機能をチャットにする必然性はない。 チャットUIには固有の負担がある。入力面では、ユーザーは曖昧な考えを正確な言葉に翻訳しなければならない。作りたい画像をうまく言語化できないデザイナーを思い浮かべればよ
予約アプリHopper、FTCに3,500万ドル:ダークパターンによる隠れ手数料で和 解旅行予約アプリ「Hopper」が、米連邦取引委員会(FTC)に3,500万ドルを支払うことで和解した。ユーザーを不本意な課金へと誘導する「ダークパターン」を用いていたとされる問題での決着である。2026年7月2日に発表された。 FTCが問題視したのは、インターフェースの設計そのものだ。「チップ」やVIPサポートといった有料オプションがあらかじめ選択された状態になっており、画面をスクロールしないと気づけないようになっていた。ユーザーは、同意した覚えのないサービスに課金されていた