連載記事
記憶のメカニズム
人の行動に大きな影響を与える記憶。「記憶のメカニズム」シリーズは、デザイナーが知っておくと役立つような人間の記憶の仕組みについて解説する連載企画です。

- 記憶のメカニズム・2023.02.15感情にからめた情報はどうして記憶されやすい?記憶のメカニズムをわかりやすく図解記憶とは、過去の経験や取り入れた情報を一度脳内の貯蔵庫に保管して、のちにそれを思い出す機能のことです。記憶はヒトに限らず生物がもつ基本的な働きで、広い意味でいえば私たちの日常生活の中で記憶に関わりのない活動はほとんどありません。たとえば日常生活を送るためのルーティーンや、自分が誰で何をしている人なのかという自己に対する認識など、過去の記憶に支えられた行動や認知は数多くあります。また記憶することで経験を対策として活かすことができるため、学習とも深いつながりをもっています。生理学的にみれば記憶は大脳
- 記憶のメカニズム・2023.02.21視覚情報の持続時間は約1秒?人は意味のない情報も瞬間的に記憶しているヒトは目や耳や鼻や手などの感覚器官でキャッチした情報を、そのまま1~2秒ほどとどめる機能をもっています。この機能を感覚記憶 (Sensory memory) と呼びます。感覚記憶は一時的な最も短い記憶です。その中で特に注意を向けた情報だけが脳に送られて短期記憶として取り込まれ、重要ではないと判断された感覚記憶は意識に残ることもなく消えてしまうのが特徴です。こうした機能がある理由として、情報を保管する脳のキャパシティがあげられます。たとえば私たちが通勤や外出時に外を歩けばそれだけで、目や耳からさま