UXデザイン
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UXデザイン基礎編
UX Design Basics
UXデザイン手法
UX Design Methods
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- ジレンマドリブンデザイン ― デザインが解決すべき「ジレンマ」への着目私たちは日々、さまざまなプロダクトやサービスを利用しています。そして多くのデザイナーや開発者は、ユーザーの「ニーズ」や「ペインポイント(痛み・不満)」を発見し、解消することを目指しています。ところが、ユーザーの要求は必ずしも単純ではありません。 たとえばAという機能が欲しい一方で、Bという条件も大事にしたい。コストを抑えたいが品質は妥協したくない。時間をかけて比較検討したいが、早く決めて楽になりたい ―。このような相反する欲求や価値観が衝突する状態が、ユーザー体験の複雑性として存在します。ここで
- リーンインなユーザー体験? YouTubeのUIアップデートから見る未来のコンテンツ消費先日、YouTubeがApple TVなどのテレビデバイス向けアプリのUIデザインをアップデートしました。このアップデートは、コメント欄や動画に関連する情報を開いたときに再生中の動画に重ならなくなるというもので、「ちょっと見やすくなった」と言ってしまえばそれだけかもしれません。しかしYouTubeの発表によると、このアップデートは「リーンイン」というユーザー体験を強化するためのものであると述べられており、つまり単に見やすさの向上を狙ったものではなく、「視聴体験を邪魔せずによりインタラクティブな体
- SNSの「いいね!」はアクションではない? 抽象的なオブジェクトをマッピングできるとUIがずっと作りやすくなる!オブジェクトに対する操作を中心にユーザー体験を設計するOOUX(Object Oriented UX)と呼ばれる手法はUXデザインの世界で広く知られるようになってきたように思います。しかし、オブジェクトを意識してデザインしていても、「気づいたら途中からユーザーアクション主導の作り方になっていた」というケースもよくあります。デザイナー的な視点では「これって本当にオブジェクト化できるのだろうか?」という疑問が浮かんできたタイミングがこれに当たりそうです。これは、OOUXの主軸となる「オブジェクトマッ
- 半構造化インタビューとは?ユーザーリサーチのための設計と質問のポイントを紹介!半構造化インタビューとは、事前に準備した質問項目に沿ってインタビューを行い、相手の回答に応じてより詳しく内容を掘り下げるインタビュー形式です。インタビューで聞きたいトピックから逸脱することなく、詳細な情報を得ることができるという利点があります。例えば、「夕飯の献立を考える時はどのようにしていますか?」という質問に対してインタビュー参加者が、「アプリの〇〇などを利用して探すことや、動画サービスで好きなシェフをフォローしていて参考にすることもあります」と回答した場合、インタビューガイドの次に書いてあ
- AARRRモデルで考えるプロダクトUX改善。オンボーディングを改善すると収益が上がるみなさんは、AARRRをご存知でしょうか?AARRRモデルは、主にグロースハックの文脈で事業成長を目指すために取り入れられるフレームワークですが、特にBtoCのアプリやWebサービスの改善ととても相性が良く、デザイナーとしても多くのプロダクト改善に取り入れることができるものとなっています。今回は、特に取り入れやすい「Activation(ユーザー活性化)」フェーズの改善に注目して、具体的な施策とともにデザイン改善がビジネスに与えるインパクトを含めて見ていきたいと思います。簡単に説明すると、AAR
- エモショーナルなデザインの参考に!メディテーションアプリのUXデザインUXデザインとは、ユーザーの「体験」をデザインすることですが、モバイルアプリのUIで「感情が動くような体験」をデザインすることには様々なハードルがあるように感じます。UXデザインに取り組んでいると、どうしても使いやすさ、機能性、満足度といった体験が重視されることが多く、喜び、安らぎ、興奮といったような感情を変化させるような体験をモバイルアプリ上でデザインするようなことはあまりないかもしれません。とはいえ、オフラインの世界に目を向けると、どんなに機能性に重きを置いたプロダクトであっても、そのプロダ
- ユーザビリティとは?正しい測定方法やアクセシビリティとの違いを解説ユーザビリティ(Usability)とは、英語で「使いさすさ」を意味する言葉です。IT業界でも、一般的に「使いやすさ」や「操作性」という意味合いで使われることが多いですね。バグや設計ミスがなく「使うことが可能」なものを作る必要があることは誰にとっても明確だと思います。しかし、「使いやすさ」に関してはユーザーの経験や年代、目的によっても大きく判断が異なり、客観的な判断が難しいのではないでしょうか?実は、UXデザインの世界ではユーザビリティは単なる「使いやすさ」を意味する言葉ではありません。UXデザ
- ペルソナとは?具体例に沿って効果的に作成するための手順とポイントを解説ペルソナ(Persona)とは、ユーザーの行動・思考・価値観などのデータをもとに作られた架空のユーザー像です。これをもとに、チーム全体の共通認識を作ることができ、ペルソナを満足させることがサービスの改善につながったり、機能改善の判断の軸としてユーザー中心の設計をするために大変便利な存在と言えます。緻密に設計されたペルソナをチーム内で共有することで、ユーザー像に関するメンバー間での認識のずれを防ぐことができ、正しく一貫したユーザーバリューを届けることにつながります。よく「ペルソナ」と一緒に聞くこと
- サービスブループリントとは?テンプレート付きで作り方を解説サービスブループリントとは、サービスの提供フローを可視化するフレームワークで、顧客との接点のみならず、サービス提供者側の業務フローやシステムの動きを含めた全体像を把握することができるのが特徴です。サービスブループリントを用いることで、プロダクトやサービスの問題点を発見しやすくなり、顧客満足度を高めるための改善点を明確にできます。また、チーム内での理解を深められ、各ステークホルダー間の連携をスムーズにする助けとなります。サービスブループリントは、単にプロセスを可視化するだけではなく、サービスを構成
- ユーザビリティテストとは?効果的なやり方や注意点を解説ユーザビリティテストとは、Webサイトやアプリの使い勝手を評価し、改善するための重要な手法です。このテストでは、実際のユーザーに製品を使ってもらい、その体験を通じてサイトやアプリの現状と課題点を明らかにします。ユーザーの行動や反応を観察することで、ユーザーの心理やニーズを理解し、それにもとづいた改善策を導き出すことが可能です。例として、以下のような確認項目があります。ページの読み込み速度ナビゲーションの使いやすさコンテンツのわかりやすさユーザーの直接的な体験から得られるデータは、サイトやアプリの
- ダブルダイヤモンドとは?デザイン思考の実践的なフレームワークとその活用例ダブルダイヤモンドとは、2005年に英国デザイン協議会で初めて導入された、問題解決手法です。これは「発散」と「収束」の2つのプロセスを含むフレームワークで、それぞれを1つのダイヤモンドとして視覚化しています。この2つのダイヤモンドは、それぞれ「正しい問題を見つけるダイヤモンド」と「正しい解決を見つけるダイヤモンド」を表現しています。ダブルダイヤモンドは、以下の4つのステップで構成されています。探索(Discover)幅広い視点から情報を収集定義(Define)解決すべき重要な課題を絞り込む展開(
- デザイン思考とは?課題解決のための2つのフレームワークから学ぶエッセンスデザイン思考(デザイン・シンキング)とは、デザイナーによるモノづくりのプロセスを体系化した課題解決のための思考法です。顧客の抱える課題を中心に捉えるという特徴が、ビジネスの現場での商品・サービス開発に効果的であるため広く取り入れられています。インターネットや物流が現在ほど発達する前の時代では、商品やサービスを届けることができる範囲がある程度限られていたため、「良いもの作れば売れる」という考え方が一般的でした。市場には様々なチャンスがあり、その穴を埋めることで利益を上げることができたのです。しかし
- ヒトは苦労して手に入れたものに価値を感じる?コントラフリーローディング効果を利用したデザイン私たちは「面倒くさいこと」が嫌いだ。 できることならなるべく早く、簡単に、苦労せず、欲しいものを手に入れたいと願っている。しかし、実際私たちの脳内はこれと全く逆なのです。今回は、そんな矛盾した脳の認知バイアスであるコントラフリーローディング効果(CFL) を上手く利用しているデザイン事例をご紹介します。まず、コントラフリーローディング効果(CFL) について解説しましょう。ある実験で、レバーを押すと食事がでてくる仕組みを学習させたマウスの前に、皿に入った餌とレバーを押すと出てくる仕組みを設けた餌
- ユーザーシナリオとは?作成ステップを具体例をもとに解説!テンプレート付きユーザーシナリオとは、特定のペルソナが製品やサービスを利用する際の「行動・思考・ニーズ・課題」を、ユーザー視点で段階ごとに分析描写する手法です。主にUXの設計や改善を目的として使われる手法であり、この手法を用いることでデザイナーやマーケターはユーザーの視点を深く理解し、製品やサービスの改善点を見つけ出せるようになります。そのため、ユーザーシナリオを作成することは、ユーザー中心のデザインを実現するための基礎にもなるのです。ユーザーシナリオは、ユーザーの注意を引く段階から始まり、興味・関心を持つ段階
- ヒューリスティック分析とは?評価項目の決め方や、効果的に行うためのポイントを解説ヒューリスティック分析とは、経験則(ヒューリスティック)を基にしてUX/UI上の問題を発見するユーザビリティ評価手法の一つです。代表的な評価手法であるユーザーテストのように被験者(ユーザー)を必要とせず、「UXのプロである専門家が自身の知見や経験則を基にして主観的に行う分析」になります。被験者(ユーザー)を必要としないため、より短い時間・労力でウェブサイト・アプリの評価をすることができ、調査の設計によっては、競合との比較を含めて相対的な分析をすることも可能です。ヒューリスティック分析による評価は
- 共感マップとは?6つの構成要素に沿って目的や作り方を解説共感マップとは、ユーザーの置かれた環境やその中で抱く感情・思考などについて理解するためのフレームワークです。UXデザインやサービスデザインにおいて最も使われることの多いフレームワークの一つでもあり、デザイン思考の産みの親であるIDEO創業者のデビッド・ケリーがスタンフォード大学に設立したd.schoolのカリキュラムでも採用されています。また、過去にはハーバードビジネスレビューでも掲載されたことがあり、ビジネスにおいてもユーザーや消費者の感情面がより重視されるようになるにつれ、その役割もデザイン
- KA法とは?インタビューなどの定性調査で得たデータをまとめる手法を紹介KA法とは、定性調査で明らかにした顧客の声や行動・体験などの「質的データ」を分析・モデリングし、本質的なニーズやユーザーのインサイトを明らかにしていく手法です。UXデザインやUXリサーチの現場でよく活用されており、考案者の浅田 和実氏のイニシャルから命名されました。主に、コンテクスチュアル・インクワイアリー(調査者が顧客の生活環境に調査しに出向き、行動観察を実施した上で文脈に応じてユーザーインタビューを実施する手法)や観察法などの、ユーザーの行動や背景の調査から得た定性情報をもとに、本質的なニー
- KJ法とは?ブレインストーミングやUXリサーチに使えるやり方を例に沿って解説KJ法とは、集まった情報やアイデアを整理、グループ化、そして図解化するための手法です。雑多な情報を多角的に分析して意味を見出すために最適な手法で、近年では特にミーティングやブレインストーミングなどで集まったアイデアを整理、分析するための手法としても広く取り入れられています。このKJ法という名前は、考案者である人類学者、川喜田二郎氏のイニシャルに由来し、海外でもよく知られています。また、人類学で研究成果を論文にまとめるための手法(エスノグラフィ)として生まれたKJ法は、ユーザー行動の観察・分析を行
- UXライティングとは?マイクロコピーを書く時のポイントや勉強におすすめの本の紹介UXライティングとは、UIデザイン上のボタンやフォーム、エラーメッセージなどに表示される文言に関するライティング技術のことです。デジタルプロダクトデザインにおいて、これらの文言には単に「意味を伝える」と言う役割を超えて、「プロダクトの世界観を作り出し、ユーザー体験を形作る」という重要な役割があります。また、UI上に表示されるこれらの短い文言は「マイクロコピー」と呼ばれ、UXライティング専門のスタジオ、ネマラの代表であるキネレット・イフラ氏の著書「UXライティングの教科書」による定義は以下のとおり
- ストーリーボードとは?UX設計のためにアイデアを可視化する手法ストーリーボードとは、ユーザーにとってのサービスや製品の利用体験を時系列のストーリーとして視覚化するための手法です。アイデアの具体化や価値検証、既存サービスの改善まで様々なフェーズで利用できる大変便利な手法です。アイデア段階でユーザーの体験を具体的かつ、他の人にもわかりやすい形でまとめられる点がストーリーボードの大きな強みです。ストーリーボードのフォーマットは、アニメや映画制作などで使われる絵コンテや4コマ漫画をイメージしていただくと分かりやすいと思います。アニメや映画と聞くと、絵を描くのが苦手
- プロトタイプとは?作成のポイントや効果的な利用法を解説プロトタイプとは、原型・試作品などの意味を持つ英単語で、ソフトウェアやWebサービスの世界では商品やサービスなどの最低限動く状態の試作品のことを指します。顧客のニーズに合った製品やサービスを提供することを目的として、プロトタイプは開発プロセスの中でも様々なタイミングで活用されています。プロトタイプの目的は大きく2つあります。開発を計画しているサービス・製品に対して、早い段階で顧客視点による評価を行い、何度もアイデアを検証して改善するため計画されている案件のステークホルダー(関係者)にプロトタイプ
- エスノグラフィとは?ケチャップのボトルが逆さまになった理由エスノグラフィとは、文化人類学や心理学の研究における学術的な調査をルーツにもつ、ユーザーリサーチ(主に定性)の手法です。ユーザーの生活環境に身を置いて行動を観察するだけでなく、ときに生活を共にすることで、ユーザーの行動について深く理解することができます。その手法が生まれた文化人類学は、異文化(主に未開の地)の衣・食・住・家族などを対象に、フィールドワークを通じて人類の文化の共通性、異質性、多様性を知る学問でした。みなさんも映画やドキュメンタリーなどで、欧米の探検家がアフリカやアジアの少数民族と時
- ユーザーインタビューとは?仮説思考で進める施策に繋がるインタビュー設計ユーザーインタビューとは、プロダクトやサービスのユーザーとの対話を通して、その課題やニーズ、現状のプロダクトへの反応などを分析する手法です。ユーザーインタビューは、定性分析の手法の一つであり、行動データの分析などの定量分析と比べて、ユーザー行動の「なぜ」に迫ることができるという強みがあります。デジタルサービスの世界では、データ分析ツールが充実し、簡単にユーザーの行動データを分析することができるようになりました。このような定量データをもとにサービス改善を繰り返していくようなケースも多いでしょう。し
- カスタマージャーニーマップとは?具体例付きのテンプレートで作り方のポイントを解説カスタマージャーニーとは、直訳すると「顧客の旅」という意味で、「顧客のサービス体験」を旅に模して表現したものです。カスタマージャーニーは、時系列にサービスとの出会いから利用時の体験、利用後の感情の変化などを理解するために役立ち、主に「カスタマージャーニーマップ」という形で視覚化されます。カスタマージャーニーマップとして顧客の体験を視覚化する際には、顧客の「行動」と共にその「心理」が表現されていることが重要で、これによりプロダクトチーム内でのユーザー理解や施策を考える際の指標として役立ちます。サー